–インベントリデータを活用したカーボンニュートラルと収益性に関する調査・研究–
「地球に長生きしてもらう」をPurposeに掲げるSotas株式会社(所在地:神奈川県川崎市、代表取締役社長:吉元 裕樹、以下「当社」)は、この度、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER:アイスナー)との共同研究について、川崎市産学共同研究開発プロジェクトに採択されましたのでお知らせします。
共同研究の概要
今回の採択の対象となった「インベントリデータを活用したカーボンニュートラルと収益性に関する調査・研究」は、2022年12月より、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 (I²CNER:アイスナー) のAndrew Chapman准教授とインベントリデータを活用したカーボンニュートラルと収益性に関する共同研究です。
従来課題となっていた製品ごとのGHGを含むインベントリデータを当社Sotasにより取得・活用し、化学業界における収益性とカーボンニュートラルの関係性を明らかにすることを研究の目的としています。具体的には、化学製品に係る原料等のインベントリー解析、LCA評価、既存製品との比較分析などを行うとともに、既存製品から新たにSDGsに貢献し得る製品にシフトした際に、CO2の削減能力や各企業のScope3排出(Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出 Scope2:他社から排出された電気・蒸気・熱の使用に伴う間接排出Scope3:1、2以外の間接排出)削減への貢献度の算出などを実施しています。
本研究においては、化学業界におけるインベントリデータを活用し、収益性とカーボンニュートラルの関係性、ETS(欧州連合域内排出量取引制度) と補助金との比較研究も行うことで、今後の化学業界における脱炭素への貢献を目的としています。
Andrew Chapman准教授のコメント
プラスチックのリサイクルやLCA概念をテーマとした研究は日本国内にも多くありますが、サプライチェーンのグリーン化及び、既存CO2削減政策野比較研究については、まだ限定的であると考えています。本研究では、この重要な課題について、社会実装に貢献できるよう取り組んでまいります。
Andrew Chapman准教授
豪クイーンズランド大学大学院ガバナンス・公共政策の修士を修了後、京都大学大学院エネルギー科学研究科博士課程を修了。2016年より九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER)に所属。WPI主任研究者であり、現在同研究所マルチスケール構造科学ユニット所属、支援部門長を務める。経済学府兼任(エネルギー経済)。「社会的公平性の定量化」「水素社会への移行」「エネルギー政策」を専門分野とし、技術・社会・システムの結びつきについての研究を実施。著書に「SDGsの実践」他多数。
カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER:アイスナー)について
カーボンニュートラル・エネルギー社会へのシフトは世界的に取り組まなければならない重要な課題です。I²CNERは必要な革新的科学と分野融合による新しい学問領域を開拓して、社会の脱化石資源化に貢献します。それと同時に、エネルギー価格が高騰している現在、豊かな生活を支えるエネルギーの確保は、世界的に重要な課題です。I²CNERでは、再生可能エネルギーを水素またはCO₂から得た炭化水素へ変換利用する社会システムを提案し、カーボンニュートラル社会の構築に寄与したいと考えています。
補足:川崎市産学共同研究開発プロジェクト補助金の概要
川崎市産学共同研究開発プロジェクト補助金は、新産業の創出により地域経済の活性化を図るため、市内中小企業が行う、大学等との共同による新技術・新製品開発等への取り組みに要する経費を助成するプロジェクトです。大学(大学院を含む)及び短期大学、高等専門学校、専修学校と共同で行う新製品等の研究開発を行う中小企業者が対象となり、本市における中小企業者の研究開発力の向上を図り、新産業の創出を促進することを目的としています。